メーターデザインに想う
この十数年で、クルマやバイクのメーターデザインが大きく変化を遂げた。
それは、アナログからデジタルへの変化であるのだけれど
液晶技術の進化により、ここ数年で完成度がぐっと上がった。
問題は、もっとも目にする時間が長いコクピットのインターフェイスが
デジタルデザインで、人の魂が昂るかどうかということだ。
腕時計ですら、デジタルよりも機械式のアナログを好む傾向にある。
「心の昂り」は利便性を軸にしたデザインでは得られない。
元来、表現の先にあるものは「心の昂り」であるべきだと思う。
今は技術が新しいということにトピックが集まり、
表現の本質まで到達しにくい状況にあるのではないだろうか。
言い換えれば、ソフトが熟成する前にハードが次々と変化するために
その技術にふさわしいデザインに淘汰される前に時代が変わってしまう、
ということではないか。
過ぎた利便性は、飽きた時に終わる。
普遍的な機能は、永遠に残る。
デジタルになったことで、多機能にはなったが、
それが本当に必要かと自問した時に、立ち戻る言葉は
“Simple is Best!” のように思う。
必要十分にして淘汰したアナログデザインであれば、
僕は今、デジタルよりアナログを選ぶだろう。
ただ、それが進化の途中であるとするなら、
次に訪れるのは本物のクールデジタルだ。